自分事として実感できるか

九州は近年、毎年のように線状降水帯による豪雨被害に見舞われていて、今日でちょうど3年前の2017年 7月5月から6日にかけても大規模な九州北部豪雨災害が発生し、九州の大河・筑後川流域で大きな被害の爪痕を残し、ほぼ全滅した梨園の映像とともに私達の記憶に残っています。

また昨年2019年は佐賀県武雄市を中心とした佐賀水害でも大きな被害が発生し、私自身も災害時の復旧ボランティアの一人として武雄市の被災地へ長崎県防災リーダーの皆さんとお手伝いにお邪魔して、現地の復旧のご苦労を目の当たりにさせて頂きました。

昨年は長崎市議会防災特別委員会の委員長を仰つかっていて、2018年7月7日に広島県と岡山県を中心に発生した西日本豪雨災害で被災され復興に取り組む呉市、尾道市、福山市に10月に行政視察させて頂きました。被災された各都市の市民と行政の皆さんのご苦労と今の課題を直接現場で聞かせて頂きながら、ハザードマップ情報や緊急時避難指示タイムラインなど市民の皆さんへの情報伝達の精度を上げるソフト事業と、今まで以上に安全を確保するためのインフラ整備を含めたハード事業、それらを統括する体制づくりが求められていることにあたらめて痛感させられました。

近年、自然災害が頻発化、激甚化するなか、いかなる災害が起きても「致命的な被害を負わない強さ」と「速やかに回復するしなやかさ」をもった地域を構築するため、事前防災・減災と迅速な復旧・復興に資する施策を、まちづくり政策や産業政策も含めた総合的な取組として計画的に実施するために、その指針づくりが求められていて、長崎市国土強靭化地域計画の早期策定を追加して委員会から長崎市へ提言し、その後、市民の皆様からパブリックコメントを頂いて計画が策定されています。

長崎市国土強靭化地域計画 PDF

内閣官房 国土強靭化ホームページ

http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/r2_minkan/index.html

さらに10月の翌週には、福岡県朝倉市や久留米市で開催されたPTA連合会の九州大会でも命を守る地域防災への取り組みがテーマとされ、親として、さらに地域人としての防災に対する意識醸成と取り組みを共有しました。頻繁する梅雨末期の豪雨災害への備え一段と強化する自治体や実践しようとする地域自主運営組織(地域コミュニティー)も確実に増えている事を実感していました。

私達の長崎市大浦地域でスタートさせようとしている長崎コミュニティー協議会の立ち上げメンバーでも、今のコロナ禍中において豪雨災害が発生したらどうすればいいのかという課題に気づき、メンバーの私達は、ちょうど1カ月前の5月末に、災害時の避難行動情報の共有化と発災直後の実際の避難所運営はいかにしたら円滑に行えるか机上訓練を実施し、地域住民としての初動体制について認識をしていたところでした。

そのような中、先日の7月3日夜から4日にかけて球磨川流域の広い範囲で豪雨が降り続け、上流から下流の至るところで水があふれて死者・行方不明者が多数出てしまう大惨事になってしまいました。

球磨川は熊本県内最大の川であり、山川県の最上川、長野県〜山梨県〜静岡県を流れる富士川と並ぶ日本三大急流の一つ。総延長が他の大河と比較して短い割に高低差が大きく、流れ急で山を縫うように流れ、川の周りの平地も狭くなっていて、特に、人吉市のような盆地の下流は川幅が急に狭くなり、水位が上がりやすかったそうです。

また、球磨川を沿うように走る旧鹿児島本線であった肥薩線も大きな被害を受けていて、明治末期にアメリカで作られ赤いトラス構造で地域住民や鉄道ファンからも親しまれていた球磨川第一橋梁も流失している映像が流れ、沿線の景観が好きだった私自身も大変ショックを受けています。

球磨川流域の自治体は防災計画(タイムライン)にそって行動されていたそうですが、今回は満潮時間とも重なり、水位が一気に上がったのではないかと推測されています。

「川の水位はまだ高く、再び雨が降ればまた氾濫する恐れがある。山間部の地面は水をたくさん含んでおり、雨がやんでも土砂災害の可能性がある。引き続き警戒が必要だ」と防災学の専門家は話されていて、被災された方の捜索や復旧作業に未だ支障が出ていると速報が流れます。

今も降り続く雨の中で、災害にあわれている熊本県人吉・球磨地方の皆さんのこれから復旧のための労力とご苦労を考え時、軽々しく「頑張って下さい」とは言えませんが、被災へのお見舞いと1日も早い復旧と復興を願わずはおれません。今回の豪雨災害で大切な命を亡くされた方とそのご家族にあらためて心よりご冥福をお祈りするとともに、自分の地域でも自分事として小さな気づきをカタチにしていく実践を積み重ねなければと思いを新たにしいているところです。

*写真は昨年度10月に行政視察でお邪魔した広島県呉市で復興工事中の被災現場。長崎市ご出身で元長崎県財政課長の濱里要(はまさと かなめ)呉市副市長様に直接ご案内頂きました。

投稿者: 梅元建治

うめもと建治 プロフィール 1967年 長崎市生まれ。県立長崎南高等学校(23回生)〜長崎大学工学部卒業後、九州芸術工科大学環境設計学科岡研究室に在籍。福岡市の(株)環・設計工房にて、建築設計、地域計画、市街地活性化事業、環境デザインを担当 父の死去に伴い2000年~有限会社海産工房梅元 専務取締役。茂木商工会青年部部長、(財)ながさき地域政策研究所登録研究員、長崎県行財政改革懇話会委員(県総務部)、県立大学長崎シーボルト校非常勤講師、地元テレビのコメンテーター等も経て2010年から一般社団法人ナガサキベイデザインセンター代表理事。 【現在の所属】 長崎市議会議員(自民創生会派)、長崎県景観形成(地域振興)アドバイザー、長崎居留地まつり実行委員会事務局長、NPO法人長崎コンプラドール理事、長崎近代化遺産研究会理事、長崎市ブランド振興会企画部会長、長崎市立梅香崎中学校PTA会長ほか

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