コロナ感染症拡大状況を受けて、8月27日(金)から9月12日(日)まで長崎市は「まん延防止等重点処置地域」適応を受けています。ピークアウトの兆しは見えるものの、医療現場の逼迫状況からまだまだ予断を許さない状況には変わりがありません。そのような中、経済対策や先月の大雨復旧補正予算の決議などを急ぎ、長崎市議会は9月定例会を開催しています。私が所属する総務委員会(梅元は今年度総務副委員長)でも上程された議案について審査が続きました。
そのような中、長崎市での重要な条例案についての審査がありました。その背景に長崎市では2016から18年にかけて住民投票実施を求める直接請求が5回相次ぎました。いずれも田上富久市長が反対、当時の長崎市議会も否決し、実施には至りませんでした。
市ではこのような状況を重く見て、常設型の住民投票条例を制定するために、策定に先立ち審議会を設置して議論を深め、報告を踏まえて原案を策定し、現在、開催中の9月定例長崎市議会で条例案審議となりました。
9月3日の総務委員会でその原案の審査に入りましたが、示された条例原案では、特別永住者などの外国人を含む18歳以上を投票資格者と規定し、その6分の1(6月1日現在、約5万8500人)以上の署名が集まれば、議会の議決を経ずに住民投票の実施する条例案。市は6分の1以上の必要署名数により「一定の民意」を受けると判断し、住民投票が実施されてその住民投票は投票率にかかわらず投票が成立するという内容になっていました。
総務委員会では、原案の条例には「成立要件」を設定していなかったことへの質疑が出て、常設型の住民投票率が低い場合「市民全体の住民の意思が十分反映されるのか?」という意見と、投票結果に法的な拘束力はないものの市長はその結果を尊重する義務を付していて「低い投票率でも市長の決定に大きな影響を与える」、住民投票には市の一般財源で1回当たり約1億円の経費がかかることも一定考慮に入れ、乱発にも一定配慮するべきであるなどの意見も出て、他都市の状況を参考に、投票率50%の成立要件を盛り込むべきではないかとの議論になりました。委員会は市側の判断を改めて問うとして中断していました。
7日の総務委員会再開後、「常設型」住民投票条例案について改めて継続審査し、その中で委員から「投票資格者総数の2分の1(投票率50%)に満たない場合は住民投票が成立しない」とする条項を原案に加えた修正案が提出されました。
各会派からの意見も出る中、修正案に対しては「必要署名数を超えたものについては、投票率に関わらず市民の声を聞くべきだ」との反対意見も出されましたが、最終的に修正案は賛成多数で可決され、投票率50%に満たない場合は不成立の場合は開票されないことも付され、10日の本会議で議決される見通しです。
そもそも市政において、市民が二分し、住民投票が求められるような案件が出てしまう状態は異常事態です。その状況に陥らないために市民のための市側は普段からの積極的な情報開示、意思決定プロセスの丁寧な説明と発信、多様な考え方を持つ市民やステークスホルダーとの協働によるまちづくりへの参画を更に推進する行政は不可欠で、その環境づくりや仕組みづくりへの努力が改めて求められています。
これからますます複雑化する社会課題や地域課題を解決するために、行政組織は部局横断的な情報共有に加えて高度な政策立案能力が必要とされ、更に議会もこれまで以上に市民に開かれながらわかりやすく、また時間を惜しまず議論を尽くす必要があり、いつも自分事と認識されている市民の皆さんの関心の高さに答えるためにも、高度な運営力が求められていて、責任の重さを痛感しています。