長崎市議会 令和8年6月17日 一般質問まとめ

令和8年6月17日の一般質問における梅元建治の質問と、それに対する長崎市側(市長および各部長)の答弁の主要なポイントを整理・要約しました。

1. 人口減少を前提とした財政構造改革について

  • 質問のポイント(梅元):
    • 人口急減の危機感: 2020年から2025年にかけての長崎市の人口減少数は全国ワースト7位、転出超過は全国ワースト5位と非常に重い結果である。
    • 財政構造の転換: 基金残高が令和7年度末見込みの146億円から令和8年度には83億円、令和9年度には77億円へと急減する見通しの中、単年度のやりくりではなく財政構造そのものを抜本的に転換すべき局面ではないか。
    • 特定目的基金の見直し: 現在37種類、約223億円ある特定目的基金について、時代に即した廃止や統配合を検討すべきではないか。
    • 全庁的な事業評価の基準: 優先順位を明確にするため、既存事業の整理・重点化を行う事業評価の徹底と、具体的な見直し対策を洗い出す仕組みが必要ではないか。
  • 答弁のポイント(市長・財務部長・企画政策部長):
    • 抜本的改革と収支改善: 令和8年度予算編成では従来の発想を完全転換し、戦略的収支改善目標を5億円から10億円に引き上げて約1,900件の全事業をゼロベースで評価した。その結果、目標を上回る約13億円の収支改善を実現した。
    • 特定目的基金の再編: 設置目的の達成度や社会情勢の変化に伴うズレを踏まえ、廃止や統合を含めた見直しを具体的に検討していく
    • 継続的な見直し仕組みの構築: 単年度限りにせず、予算編成前に見直しの方向性を全庁で共有し、中長期的視点で優先順位を明確にして事業を見直す仕組みを構築する。
議会で演説する男性と後ろに座る他の参加者、右に盆栽が置かれている

2. 公共施設再編と未利用資産の利活用について

  • 質問のポイント(梅元):
    • 資産経営への転換: 「施設を持ち続ける行政」から「機能を守り資産を生かす行政」への転換が必要であり、再編の進捗はどうなっているか。
    • 未利用財産の活用: 廃校などの私有財産の利活用方針を迅速に決定し、官民連携によって資産経営を加速させるべき。新たな取り組みの進捗は?
    • 学校施設の雨漏りと「予防保全」: 梅ヶ崎中学校の雨漏りによる通常授業への影響を例に挙げ、子供たちの学ぶ環境を守るため、事後対応ではなく計画的な「予防保全(長寿命化)」へ保全計画を抜本的に見直すべきではないか。
  • 答弁のポイント(財務部長):
    • 再編計画の進捗: 地区別計画において2029年度までに70施設を見直す予定だが、廃止等25施設、移転等16施設が未完了であり、全庁一眼となって完了を急いでいる。
    • 廃校利活用の新施策: 統配合による廃校19校中10校は他用途への活用や売却が完了したが、残る9校が未活用である。これに対し、令和8年7月16日・17日に株式会社十八親和銀行と連携した「廃校見学バスツアー」を新たに実施し、民間事業者への情報発信や事業構想のアドバイスを得る。
    • 優先順位をつけた予防保全: 公共施設保全計画に基づき、一部で予防保全が実施できていない現状を認めつつ、今後は各部局で点検結果を踏まえて優先順位をつけ、中期財政計画に適切に反映させながら、計画的な予防保全を連携して進める。
白いシャツに紺のスーツを着た男性が、紙を持って話している様子

3. 空き家の流通促進と「空き家税」の検討について

  • 質問のポイント(梅元):
    • 人口減少対策としての位置づけ: 市内の空き家は約3万950戸(空き家率17.9%)に達し、特に斜面地で高率となっている。空き家を単なる危険・苦情対策ではなく、若者や子育て世代の移住促進につなげるための資源として明確に位置づけるべき。
    • 流通・活用可能性に応じた分類: 売却、賃貸、回収利用、解体など空き家の状況を分類して対策を講じる工夫が必要ではないか。
    • 「空き家税」の導入検討: 京都市などの先進事例を参考に、流通に圧力をかける目的も含めて長崎市でも空き家税の導入を検討すべきではないか。
  • 答弁のポイント(建築部長・企画政策部長・市長):
    • 支援法人との連携実績: 令和8年3月末時点で「空き家等管理活用支援法人」として2法人を指定し、半年間で30件の相談に対応(2件の売買が成立)。現在さらに4法人から指定申請の相談を受けており、積極的に指定を進めて所有者の選択肢を広げる。
    • 他部局との連携: 東京圏からの移住支援補助金や子育て世代向け補助金、空き家バンク情報の提供を通じて、建築部と企画政策部が連携し、少子化対策に位置づけて空き家活用を推進する。
    • 空き家税への見解: 京都市などの他自治体における「非居住住宅利用促進税」等の導入の動きを注視しながら、多角的な視点から研究していく。
議会でスピーチをする男性とその後ろにいる他の男性が映っています。背景には盆栽があります。

4. 若者・若年女性の定着と次世代支援について

  • 質問のポイント(梅元):
    • 雇用の「質」の重視: 若者、特に若い女性が進学・就職を機に流出する原因は、単なる仕事の有無(量)ではなく、賃金水準、正規雇用、キャリア展望、働きやすさ(質)にある。
    • 成果指標(KPI)の設定: 企業の支援策や雇用政策の成果指標として、若年女性の正規雇用率、賃金水準、3年後定着率などを組み込む考えはあるか。
    • 「長崎伝習所基金」の有効活用: 若者の挑戦や自立、人材育成を後押しするため、同基金をさらに有効に活用すべきではないか。
  • 答弁のポイント(企画政策部長):
    • 転出超過の現状と要因: 令和7年の転出超過は728人となり大きく改善しているが、流出者の5割超を15〜34歳が占めている。女性が働きやすい環境の不足やアンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)の影響が指摘されている。
    • 具体的な支援策: 女性の管理職育成や更衣室整備などを支援する「女性活躍職場改善補助金」の交付や、企業の生産性向上を後押しする「チャレンジ企業応援事業費補助金」を通じて、若い世代に魅力ある雇用環境を整備している。
    • 成果指標の検証: 第3期総合戦略においてすでに設定している雇用関連の指標について、指摘の趣旨を踏まえながら効果や現状を検証していく。
    • 伝習所基金の活用: 長崎若者会議への支援や若者まちづくりチャレンジ補助金に本基金を活用しており、今後も若者のニーズを把握し、必要に応じて同基金を活用する。
議会でスピーチをする男性。背景には花と盆栽が置かれている。

5. 歳入増加策:「旅中納税」の導入進捗について

  • 質問のポイント(梅元):
    • スポーツ(スタジアムシティ等)の盛り上がりと相乗効果が高く、現地決済で利便性も高い「旅中納税(現地決済型ふるさと納税)」の進捗は?
  • 答弁のポイント(経済産業部長):
    • 現在の導入状況: 令和6年度から現地決済型サービスを導入。現在市内10施設(宿泊施設やゴルフ場等)で利用可能
    • 寄付実績: 令和7年度は35件の申し込みがあり、寄付額は193万円の実績。今後はホテル組合などの関係機関と連携し、さらなる利用施設の拡充に努める。

投稿者: 梅元建治

うめもと建治 プロフィール 1967年 長崎市生まれ。県立長崎南高等学校(23回生)〜長崎大学工学部卒業後、九州芸術工科大学環境設計学科岡研究室に在籍。福岡市の(株)環・設計工房にて、建築設計、地域計画、市街地活性化事業、環境デザインを担当 父の死去に伴い2000年~有限会社海産工房梅元 専務取締役。茂木商工会青年部部長、(財)ながさき地域政策研究所登録研究員、長崎県行財政改革懇話会委員(県総務部)、県立大学長崎シーボルト校非常勤講師、地元テレビのコメンテーター等も経て2010年から一般社団法人ナガサキベイデザインセンター代表理事。 【現在の所属】 長崎市議会議員(自民創生会派)、一般社団法人ナガサキベイデザインセンター代表理事、長崎居留地歴史まちづくり協議会事務局長、長崎居留地まつり実行委員会事務局長、NPO法人長崎コンプラドール理事、NPO法人長崎SDGsクラブ副理事長、南大浦地区連合自治会長、南大浦歴史と夢あふれるまち協議会会長、大浦地区防犯協会会長、長崎市消防団第13分団後援会会長、長崎市立梅香崎中学校PTA顧問、長崎居留地男声合唱団、長崎県景観形成(地域振興)アドバイザーほか

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