五月の菖蒲(しょうぶ)に「考える葦」を思う

 まだまだコロナ感染症の収束に見通しがつかず、多くの方々が不安な毎日を過ごされています。従業員を抱え、防止対策で時短·休業要請などで影響をもろに受けている飲食店やサービス業、関連事業者の皆さんにとってはさらに深刻さが深まり、行政からの支援対応も遅く、対策もまだまだ不十分だとご指摘の中、自身の力不足を感じながら、これまでもにも増して、今の自分に何ができるのかを自問自答する毎日です。これまで誰も経験したことのない状況下、困難にいち早く対応しながらどうしたら解決出来るのかを思考し、失敗を恐れず前例を超えた意思決定が求められていると痛感しています。

 今なお収束しない新型コロナウイルス感染症。今の膨大な情報を目の前にして、冷静に分析し判断に繋げていくことに加え、自然の猛威に対して、先人達はどう対処してきたのか、その歴史にも解決の糸口を見つけられないか思いを馳せてしまいます。

 長崎市は今も昔も交流のまち。外国に開かられた長崎は幕末も、港に入港した外国船からコレラが蔓延し、多くの感染者と死者を出してしまいました。幕府が招聘したオランダ人医師ポンペ、後任のボードウインらは、治療と同時に西洋医学と薬学、化学や物理学、自然科学を学ぶことができる叡智を集めた小島療養所を設立し、さらに全国から集まった若く志のある人材育成を行ったそうです。これまでなかった栄養学とともに近代公衆衛生の普及を進め、同時にまちづくりにおいては不衛生な状況を一刻も改善するための上水道や都市部の側溝整備が進んだと歴史に刻まれています。

 フランスの思想家パスカルは著書パンセの中で「人間はひとくきの葦にすぎず、自然の中で最も弱いものである」と語りました。と同時に「か弱き人間は、考える葦でもある」と語ったとも伝えれれています。パンデミックの極限状況において、私たちは自身の内なる免疫力を高めと同時に、人と人とが傷つけあう分断を避けなければなりません。今は知恵を出し合い、勇気を奮い立たせ、お互いが実践できるひとくきの「考える葦」になれるか、この状況下で前向きに「どうしたらできるか」、粘り強い勝負(しょうぶ)強さが、今こそ求められているように感じています。

投稿者: 梅元建治

うめもと建治 プロフィール 1967年 長崎市生まれ。県立長崎南高等学校(23回生)〜長崎大学工学部卒業後、九州芸術工科大学環境設計学科岡研究室に在籍。福岡市の(株)環・設計工房にて、建築設計、地域計画、市街地活性化事業、環境デザインを担当 父の死去に伴い2000年~有限会社海産工房梅元 専務取締役。茂木商工会青年部部長、(財)ながさき地域政策研究所登録研究員、長崎県行財政改革懇話会委員(県総務部)、県立大学長崎シーボルト校非常勤講師、地元テレビのコメンテーター等も経て2010年から一般社団法人ナガサキベイデザインセンター代表理事。 【現在の所属】 長崎市議会議員(自民創生会派)、長崎県景観形成(地域振興)アドバイザー、長崎居留地まつり実行委員会事務局長、NPO法人長崎コンプラドール理事、長崎近代化遺産研究会理事、長崎市ブランド振興会企画部会長、長崎市立梅香崎中学校PTA会長ほか

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